訪問診療とは?
訪問診療とは、認知症や寝たきり、体力低下などで通院困難な患者様のもとに医師が定期的に訪問し、計画的に治療・健康管理等を行うものです。当院では状態が安定されているときでも原則月 2 回訪問させていただいております。
その方の状態に合わせ訪問回数を増やすなど対応させていただいております。
定期訪問に加え、臨時の診療依頼に対しても必要に応じて対応し、緊急時は 24 時間 365 日体制で対応いたします。
緊急時等には入院先の手配なども行います。
訪問診療の目的は病気の治療だけではありません。転倒や寝たきりの予防、肺炎や褥瘡などの予防、予測されるリスクを回避し入院が必要な状態を未然に防ぐことも重要な役割です。
対象となる人
- ご自宅での医療を望まれる方
- 病院への入院や通院が難しい方
- 退院後も医療機器が使われており常に医療や看護が必要な方
- 退院後の生活や介護に不安がある方
- 終末期(積極的治療によって改善が見込めない)の方
- 認知症・脳梗塞の後遺症等で生活に不安のある方
- 総合病院の専門医に数ヶ月毎定期的にかかりながらも、その間に在宅医療が受けられます。
まずは、ご相談ください。
対象となる地域
クリニックから車で約30分以内の地域です。
安佐南区:全域
(山本・祇園・長束・西原・中筋・中洲・東野・東原・川内を除く)
安佐北区:あさひが丘、くすの木台、久地、飯室、毛木、後山、筒瀬

詳しくは、お問い合わせください。
費用
費用に関しては診察に関する費用(在宅患者訪問診療料、基本的には月2回)と医学管理に関する費用(在宅時医学総合管理料)が基本的な費用となり、その他の費用(注射・検査、処置等を行った場合の費用)との合計が月にご負担いただく費用となります。
在宅診療に関する費用一覧
区分 | 項目名 | 内容 |
基本診療費 | 在宅患者訪問診療料 | 888点/回 |
在宅時医学総合管理料 | 4500点/月 | |
その他 | 検査、処置を行った費用 | 実施内容に応じて加算 |
緊急時の往診料 | 対応内容により発生 | |
在宅療養に係る指導料、加算、材料費等 | 状況に応じて加算 | |
介護保険による居宅療養管理指導 | 必要に応じて算定 | |
お薬代 | 実費負担 |
*状態・状況によって金額は変化します。
定期的な月額負担の例(1割の方)
在宅診療費の目安(月2回訪問の場合)
在宅時訪問診療料(月2回) :1,776円
在宅時医学総合管理料 :4,500円
= 合計 6,276円
この金額に その他費用(検査・処置・材料費など) が加算される場合があります。
月2回訪問および24時間緊急体制に対する1ヶ月あたりの負担金額
対象 | 負担割合 | 標準負担額 | 負担上限額 |
高齢者 | 1割 | 約7,000円 | 18,000円 |
2割 | 約14,000円 | 18,000円 | |
3割 | 約20,000円 | 約80,000~260,000円(課税所得による)※1 | |
一般 | 3割 | 約20,000円 | 高額療養費による返還 ※2 |
<備考>
※1:詳しくはお住まいの市町村の担当窓口か、ご加入の医療保険者までお問い合わせください。
※2:一定の負担額を超える場合に適用されます。申請が必要です。
- 公費負担を受けられている患者様は大半公費でまかなわれますが一部負担金が発生する場合があります。
- 病気の重症度や装着されている機器などにより費用は変わります。
- お薬は院外処方となりますので、薬剤費や訪問料は別途必要です。
- 介護保険をお持ちの場合、ケアマネージャーさんはじめ介護事業所との情報共有や指示などに関する費用(居宅療養管理指導費)が別途かかります。
詳しくはお問い合わせください。
訪問診療のご利用方法 ~診療までの流れ~
かりゆし在宅クリニックでは、ご自宅や施設で療養される方のために、訪問による医療サービスをご提供しています。
以下は、訪問診療開始までのおおまかな流れです。
STEP1 ご相談・お申し込み
訪問診療をご希望の方は、まずはお気軽にご相談ください。
ご本人やご家族からの直接のお問い合わせはもちろん、ケアマネジャーや訪問看護師、介護職の方を通じてのご相談も承っております。
現在入院中の方は、病院の地域連携室にご相談いただくことで、退院前のご準備を進めることができます。
必要に応じて、当院の医師やスタッフが病院でのカンファレンスに参加することも可能です。
STEP2 診療内容のご説明・計画立案
当院よりご連絡のうえ、ご自宅または施設での診療内容や費用についてご説明いたします。
ご家族のみでのご相談も可能です。
患者様・ご家族のご希望をお伺いしながら、診療計画を立ててまいります。
初回の訪問にあたっては、以下の証書類をご持参ください。
- 健康保険証(必須)
- 介護保険証(お持ちの方)
- 介護保険負担割合証(お持ちの方)
- 医療受給者証・身体障害者手帳など(該当する方)
※ご不明な点がある場合は、お問い合わせ時にご相談ください。
STEP3 訪問診療の開始
診療内容や費用、訪問スケジュールなどをご説明のうえ、在宅療養計画書へのご同意をいただいてから、初回の訪問診療を開始いたします。
初回は医師がご自宅や施設を訪問し、患者様の健康状態や生活環境を確認しながら診察を行います。
その内容に基づいて、在宅療養計画書を正式に作成し、定期的な訪問診療を進めてまいります。
また、必要に応じて訪問看護や介護サービスとの連携も行い、安心してご自宅での療養を継続できる体制を整えます。
受け入れ可能症例・処置等
当院では病気の重症度の高い患者様も対応可能です。
- ターミナル・癌末期
- 小児
- 神経難病
- 在宅酸素療法
- 気管切開、人工呼吸器
- 経管栄養法(経鼻、胃瘻、腸瘻)
- 中心静脈栄養法(IVH、TPN)
- 疼痛管理、麻薬管理、PCAポンプ管理
- 腹水穿刺、胸水穿刺
- 外傷、褥瘡
- 尿道留置カテーテル、膀胱瘻、腎瘻
- 輸血
- インスリン療法
- 抗がん剤治療、免疫療法
- 在宅看取り
多職種連携の在宅医療

地域で患者さんの生活を支える『多職種連携』には、たくさんの職種が関わっています。
住み慣れた自宅で心豊かな生活を送るためには、訪問看護・訪問介護支援・在宅訪問薬局・訪問歯科・他の医療機関・介護施設などとの連携が欠かせません。
訪問診療では日頃から病歴や健康状態を把握し、診療のほか健康管理のアドバイスを行い、必要に応じて各連携機関との調整を図ります。
また、要介護認定に必要となる「主治医意見書」の作成や、病状にあわせて、適切な病院・施設の紹介も行っています。高血圧や糖尿病といった慢性的な病院の診察から、人生の最後の看取りも行っています。
身体の調子が急に悪くなるなどに急変時においては、スムーズに入院ができるよう、入院の受け入れ可能な医療機関との連携を図っています。
訪問看護ステーション
当院からの訪問看護は行っておりませんが、ICTを用いて24時間対応の訪問看護ステーションと連携しております。
<主にICT連携している訪問看護ステーション(順不同)>
- ヒーローズ訪問看護リハビリステーション
- あさひ訪問看護ステーション
- IGL訪問看護ステーション
- 福井内科訪問看護ステーション
- 訪問看護ステーションオリーブ
- もみじ訪問看護ステーション
- てるてるぼうず訪問看護リハビリステーション
- リハビリ訪問看護ステーションサポート
- リハビリ訪問看護ステーションのの花
- エコール訪問看護ステーション
- みんなのかかりつけ訪問看護ステーション安佐南
- 医療介護センター
- 訪問看護ステーションかがやき
- 訪問看護ステーション絆
在宅医療はすまいる医療
よくある質問
- どのような方が訪問診療を受けられますか?
- お一人で通院が困難な方であれば当院は癌の末期等の重症度の高い方でも対応させていただきます。詳しくはお問い合わせください。
- どのくらいの頻度で訪問してくれるのですか?
- 病状が安定されている場合月に2回訪問を基本としております。病状に応じて回数の変更等対応させていただきます。
- 費用はどのくらいかかりますか?
- 年齢や状況によって変わってきます。費用のページをご覧ください。
- 一人暮らしですが在宅医療をうけることはできますか?
- 可能です。ご自宅での生活を支えるための様々なサービスもあります。必要なものを取り入れご自宅での生活をサポートします。
- 訪問診療日以外に具合が悪くなったときはどうすればいいですか?
- まずはご連絡いただき、病状を確認させていただきます。医師が必要と判断した場合には往診等対応をさせていただきます。24時間365日連絡をお受けする体制を整えています。
- 主治医を変えたくない…他の病院にかかっているが訪問診療を受けることはできますか?
- 可能です。現在の通院を続けながら在宅でのフォローを当院で致します。必要に応じて連携をしながら診察を行います。
- 訪問診療は受けていませんが体調が悪いときに往診してもらうことはできますか?
- 普段の様子がわからない場合、緊急時に体調の変化等を判断できません。緊急時のみの往診は原則していません。
- 自宅での緩和ケア、看取りは可能ですか?
- 可能です。どこで最期の療養をするべきかは個々の患者様によって異なります。住み慣れた家で家族に見守られ最期を迎えたいというご本人の希望や、最期を一緒に過ごしたいというご家族の希望があれば当院でお引き受け致します。
- 入院先で状態が悪いので自宅に帰るのは難しいと言われたのですが。
- 自宅で療養することも可能です。自宅に帰りたいという希望が重要です。主治医に希望を告げ、地域連携室の相談員に相談し、自宅で生活ができるよう必要なサービスの利用などを準備して帰りましょう。退院後は在宅医がご自宅へ訪問いたします。
- 酸素をしていますが自宅に帰れますか?
- 酸素濃縮器、酸素ボンベ等をレンタルすれば自宅に帰ることは可能です。